世耕さん5選果たす 野党統一候補退け

第25回参院選は21日に投票、即日開票され、和歌山選挙区(改選数1)は自民現職で公明が推薦した経済産業大臣、世耕弘成さん(56)が、立憲民主、国民民主、社民3党が推薦し、共産も支援した野党統一候補、無所属新人の元和歌山弁護士会会長、藤井幹雄さん(58)との一騎打ちを制し、主要閣僚の強さを見せて5選を果たした。

今回の選挙戦は、消費増税や憲法改正の是非、年金問題などが争点となった。

6年半に及ぶ第2次安倍政権で要職にあり続けた世耕さんは、経済や外交面で成果を上げてきたとし、安定した基盤による政権の継続を訴えた。公務や党候補の応援で選挙区入りは初日のみだったが、知名度や強固な組織力を生かして自民・公明支持層をまとめ、無党派層からも支持を集めた。

藤井さんは「安倍政治の暴走を止めよう」と訴え、安倍首相が意欲を示す憲法改正や消費増税への反対などを掲げ、相手候補が不在の中、自転車を中心に県内全域を走り、野党4党の支持層をはじめ政権批判票を懸命に掘り起こしたが、及ばなかった。


「次のステップ上る」 地方に質の高い雇用創出

世耕さんは自身が選挙区を不在にする中、久美子夫人が代わって街頭演説やあいさつ回りなどに走り、県内の党所属議員、後援会などがフル稼働で終始安定した戦いを展開し、開票作業が始まった午後8時に早々と当選確実が報じられた。

和歌山市久右衛門丁の事務所に姿を見せた世耕さんは、約200人の支持者の拍手に迎えられ、笑顔で万歳三唱し、花束を受け取った。

選挙対策本部長の鶴保庸介参院議員があいさつし、石田真敏総務大臣、仁坂吉伸知事らが祝福の言葉を述べた。

世耕さんは「5期目は私自身、次のステップに向けた難しい階段を上り、恩返しができる政治家にさらに成長しなければならない」と決意を述べ、「第四次産業革命の技術を使った新しい事業を創造し、地方に質の高い雇用を生み出すことが、アベノミクス完成の最後の一手になる」と話した。

花束を手に支持者の拍手に応える世耕さん

花束を手に支持者の拍手に応える世耕さん