公正な報道で信頼構築 日中メディアシンポ
日中両国の地方都市の発展を目指す「日本関西地区『対話湖北』交流イベント」(7月31日~8月4日)の開催期間中の2日、両国メディアによるシンポジウムが武漢東湖国際会議センター「黄鶴庁」で開かれ、伝統のある新聞やニューメディアと呼ばれるSNSなどの媒体について議論。両国が互いをよく知り信頼関係を築くためには、公正な報道が大切との認識が確認された。
シンポジウムは分科会の一環として開かれ、テーマは「新情勢における中日地方マスコミの責任と役割――世論環境を改善し民意の礎を固めるための必要な措置について」。
京都府日中友好協会の田中彰寿会長、読売新聞の竹内誠一郎中国総局長、湖北テレビ放送の郭忠局長らがパネリストとして参加し、伝統メディアと新メディアの役割や活用法などについて議論した。
田中会長は「互いの内面を理解するのに相互の文学を活用してはどうか」、竹内総局長は「新聞という伝統メディアに携わる者として、新メディアの信憑(しんぴょう)性を注視していきたい」、郭局長は「両国民には善意があり美しい生活を求めているはず。『千里の道も一歩から』との老子の言葉通り、メディアが協力し中日関係の新しい局面を切り開いていきたい」と力を込めて話した。
司会を務めた中央放送テレビ局中国国際放送局アナウンサーで首席日本語通訳者の王小燕さん(46)は、田中会長の意見について「中国人は日本文学が好きなので、日本の人も中国文学をもっと読んでほしいです」と笑顔。新メディアなどを利用し、生活に密着した分かりやすい問題提起をすることなどにより「若者に考えさせるようなアプローチが必要」とし、「政治やイデオロギーに関係なく議論を深め、心を通い合わせることが大切」と話していた。
その他、両国のマスメディアは湖北省博物館や同省テレビ局、建築中の華中貿易サービス区などを見学し、貿易センターのセンター長と意見交換した。