抱負や体験を報告 JICAシニア協力隊が県庁へ

 国際協力機構(JICA)のシニア海外協力隊員が28日、出発と帰国の報告のため和歌山市の和歌山県庁を訪れた。

 訪れたのは、12月2日にヨルダンへ出発する和歌山市の前芝公男さん(64)と赴任先のコスタリカから10月上旬に帰国した同市の小池眞千子さん(68)。

 前芝さんは、同国のヨルダン大学でX線や超音波機器などの非破壊検査機器の取り扱い方法や原理を指導する。ヨルダンでの活動は2回目で、「前回やり残したことがあり、前回の続きにチャレンジしたい。実験のサポートを通じて(学生が)原理を理解するお手伝いができれば」と話し、対応した北山徹県国際担当参事から現地での生活について問われると、1回目の同国滞在を振り返り「最初は戸惑いもあったが、生活していてそんなに違和感はなかった」と話した。活動期間は2年間。

 小池さんは中米のコスタリカで2年間、自然界にある物やリサイクル品を使用した芸術創作を提案。講師に対する技術指導も行った。指導相手の年齢は20歳前後から70歳くらいと幅広く、ボタンを使ってイヤリングを作ったり、レコードで時計を作ったりしたという。「紙もインクも日本のように良い物がなく、文化の違いも感じたが、とても良い経験だった」と話した。

 北山国際担当参事は2人の海外での体験について「日本と何もかも違うところで一から活動を始めるのは大変なことだと思う」と敬意を表していた。

活動を報告する小池さん㊨と前芝さん㊥