じゃばら安定供給へ ファイブワンが資金募る

かんきつ類の「じゃばら」を使用した商品を開発、販売している㈱ファイブワン(和歌山県和歌山市三葛、坂本正博社長)は、じゃばらの供給拡大を目指し、インターネットで資金を募るクラウドファンディングに取り組んでいる。じゃばらは花粉症の症状緩和に効果があるとされ需要が拡大する一方で、供給が追い付かなくなっているという。坂本社長は「多くの人の花粉症が治り、農家の収入増につなげたい。じゃばらの安定供給を実現させ、地域に貢献したい」と話している。

じゃばらは北山村が原産。坂本社長によると、和歌山は愛媛、佐賀の両県とともに3大産地を構成しており、県内では同村の他、海南市や有田市、かつらぎ町など各地で栽培されているという。同社は5年前からじゃばらを使用したあめやグミなどを販売している。

同社は大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センターの渡辺一志教授らと協力し、じゃばらの花粉症への効用を研究。その結果、じゃばらに含まれるナリルチンが、花粉症の症状を緩和し抗酸化力を向上させることができるフラボノイドの一種であることが明らかとなった。坂本社長はじゃばらに対する需要の高まりを感じているといい、東京都内の県アンテナショップ「わかやま紀州館」でも人気商品になっているという。

11月13日からクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクト「希少な柑橘(かんきつ)じゃばらをもっと広めるために、じゃばらの苗の植樹をしたい!」を進めている。出資金額は3000円から2万円まで8パターンがあり、あめやグミ、ポン酢、七味などのじゃばら使用商品がもらえたり、かつらぎ町でじゃばら苗の植樹体験ができたりする。募集の目標額は50万円で、募集期間は12月20日まで。

問い合わせは同社(℡073・448・5040)。

じゃばらの供給拡大の必要性を訴える坂本社長㊧

じゃばらの供給拡大の必要性を訴える坂本社長㊧