うめどり業者が経営破綻 人気銘柄鶏流通停止
人気の銘柄鶏「紀州うめどり」が出荷されなくなっている問題で、生産、販売を手掛ける有田養鶏農業協同組合と関連業者の農事組合法人吉備食鶏組合(いずれも和歌山県有田川町、平松重人代表)が経営破綻したことが10日までに分かった。
東京商工リサーチによると、有田養鶏農業は1985年10月設立、資本金5000万円、吉備食鶏組合は81年8月設立、資本金3572万円。両社は、脱塩濃縮梅酢を使用した飼料で育てた「紀州うめどり」の養鶏、加工業者として業務を分担してきた。
「紀州うめどり」は県内を中心に年間約150万羽が出荷され、県の鶏肉生産量の約半分を占め、県の優良県産品「プレミア和歌山」にも推奨されている。
しかし、両社は近年業績が伸び悩み、収益も低迷。資金繰りも行き詰まり、昨年12月14日に出荷したのが最後とされ、以降は品薄となっていた。1月8日時点で本社は閉鎖され、連絡が取りにくい状況となっている。負債総額は分かっていない。
吉備食鶏組合を主な仕入れ元とし、07年から「紀州うめどり」を販売してきた関西ブロイラー㈱(同町、同代表)によると、同社も今月15日で閉鎖する。
本紙の電話取材に従業員は「仕入れがなくなったため業務はすでにストップしており、得意先からの問い合わせへの説明や残務処理を進めている」と話した。