3年ぶり減の252億円 海南市20年度予算案
和歌山県海南市は20日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2・6%減の252億8276万円で過去最大だった19年度を下回り、3年ぶりの減少。特別会計と企業会計を含めた総額は0・6%減の470億309万円となる。市税の減収などを見込む一方で、下津町小南への道の駅整備、岡田地区の浸水被害低減のための排水ポンプ場建設などの大型事業も進める。27日開会の2月定例市議会に提案される。
市役所で記者会見した神出政巳市長は、予算編成方針について、持続可能で安定した財政運営を念頭に、財源確保と経常経費の抑制に努めつつ、「『住み続けたい』『住んでみたい』と思えるまちづくりに資する事業に重点的に予算を配分した」と説明。
具体的には、「住みやすいまちづくりプロジェクト」の一環として、わんぱく公園を拡充、再整備する「(仮称)中央防災公園」や、道の駅整備などの重点事業に集中投資を図るとともに、人口減少などの課題に対応するための施策を着実に推進する。
会見には、20年度に市公式キャラクターに任命されることが決まった「海(かい)ニャン」が登場し、10月の「海南お菓子まつり」で予定されている任命式に向けて練習中という、ジャンプや笑顔のパフォーマンスを披露した。
一般会計歳入
市税などの自主財源が占める割合は33・7%。市税は、償却資産の減少に伴う固定資産税の減などにより1・4%減の67億9786万円を見込む。
国庫支出金は、市民交流施設建設事業の完了に伴う補助金の減少などにより25・1%の大幅減の30億5215万円。
繰入金は、地域振興基金の減少などにより32・5%減の4億6301万円。借金に当たる市債の発行は、市民交流施設建設事業が完了する一方、岡田地区浸水対策事業による増加などで7・6%増の42億7970万円となっている。
一般会計歳出
義務的経費が47・5%を占め、うち扶助費は、児童手当扶助費や生活保護費の減少などにより2・8%減の43億2647万円。市債の返済などに充てる公債費は、本庁舎整備に関する元金償還開始などに伴い7・7%増の31億580万円となっている。
補助費等は、海南海草環境衛生施設組合に対する負担金の減少などにより1・5%減の20億6989万円。
投資的経費では、普通建設事業費が、市民交流施設建設事業の完了などにより14・1%減の50億1610万円となっている。
特別会計
療養給付費の増加に伴う国民健康保険、後期高齢者医療の両特別会計の増加などにより、6会計の総額で1・8%増の149億4605万円。
企業会計
水道事業での導水管更新事業や海南下津相互連絡管布設事業の増加などにより、2会計の総額で2・2%増の67億7427万円。