那賀高の谷脇が立命大へ 奪三振記録の右腕
昨年夏の全国高校野球選手権和歌山大会で大会新記録となる1大会66奪三振をマークし、和歌山県立那賀高校の準優勝の立役者となった谷脇弘起投手が、大学野球の関西屈指の強豪、立命館大に進学する。新型コロナウイルスの感染拡大で今月19日からの選抜大会の開催が危ぶまれる中、和歌山を巣立つ高校球児の新たな活躍が期待される。
谷脇投手は180㌢を超える長身から140㌔台前半の直球とキレ味鋭いスライダーを投げ込む本格派右腕。和歌山市立宮小学校、日進中学校を経て那賀高に進んだ。
昨夏の和歌山大会では6試合全てに登板し、うち5試合で2桁奪三振を記録。箕島の島本講平投手(南海―近鉄)が1970年につくった大会記録を更新し、外角低めへの精度の高いスライダーは、対戦した打者に「目の前で消えた」「直球と見分けがつかなかった」と言わしめた。打撃でも5番打者として7打点を挙げる活躍だった。
立命館大はヤクルトで名捕手、兼任監督として活躍した古田敦也氏や、1985年に監督として阪神を日本一に導いた吉田義男氏ら多くのプロ野球選手を輩出。関西学生リーグに所属し、わかさスタジアム京都や甲子園球場などで近畿大や同志社大、関西大などと戦っている。
2017、18年は連続でドラフト1位指名選手を輩出し、昨年はエースの坂本裕哉投手が横浜DeNAにドラフト2位で入団した。
谷脇投手はスポーツ推薦で同大産業社会学部に合格し、すでに大学の練習に合流している。和歌山大会の決勝で敗れた後も野球部の練習に参加し、ウエートトレーニングと食事のコントロールにより、昨夏は75㌔だった体重が80㌔台前半に増えたという。
那賀高の津亮監督は「かなり大きくなったと思う。さらに体をつくって直球のキレも磨いてほしい。大学1年の秋か2年からリーグ戦で投げてくれたら」と話し、「向上心を常に持ち、野球に対して前向きに取り組む選手。高校時代は故障もなく、まだまだ伸びしろがあると思う。4年後が楽しみです」と期待を寄せる。那賀の〝ドクターK〟からますます目が離せない。