元気な姿で感謝を 聖火ランナー 森泰幸さん
和歌山県和歌山市北野の大和御前之宮で神職の手伝いをしている。お参りに神社を訪れる学生から学校生活の悩みについて相談を受ける機会が多く、「やりがいがあります」と話す。
聖火ランナーは「記念になる。走ってみたい」と応募。選ばれたことを知った時は家族で喜んだという。
好きなことはスポーツ観戦や芸術鑑賞。野球やバレーボールなどさまざまな競技に関心があり、テレビの画面に映し出される選手の表情を細かく観察する。小さい頃からドラマや舞台などを見ることが好きで、県和歌山高では演劇に打ち込んだ。3年生の秋に和歌山市民会館で開かれた近畿高校総合文化祭の開会行事では古代衣装を着用し、奈良時代の歌人の山部赤人を演じた。
4歳の時に交通事故に遭い骨盤骨折などの大けがを負った。事故の影響で尿道狭窄症となり、治療のため全国各地の病院を回った。約2年前に病気は完治。治療と並行しながら学業に励み、専門学校の大阪医専で看護や保健の勉強に励んだ。
東京五輪・パラリンピックについては「日本で開かれるのは特別。バドミントンなど金メダルが取れそうな競技もあり楽しみ」と話し、延期についても「楽しみが先延ばしになったと捉えたい」と前を向く。「病気を乗り越えてここまでできることを示したい。お世話になった方に元気な姿を見せ、和歌山のことを国内外の人に知ってもらいたい」と目を輝かせている。