外出自粛で人影まばら 緊急事態後の週末

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大されて初の週末を迎え、和歌山県内でも市街地や観光地などは人通りが少なく閑散となった。「自粛は当然」と多くの人が不要不急の外出を控える一方で、「家でこもっているのは疲れる」との不満も漏れる週末となった。

19日午前10時半ごろのJR和歌山駅前は、近鉄百貨店が地下の食料品フロアを除いて休業となったこともあり、いつもの週末に比べて行き交う人の数はまばら。駅に隣接する和歌山ミオも19日から5月6日まで、一部の店舗を除き臨時休業を決めた。

ゴールデンウイークに家族で帰省予定だった女性は、新幹線の予約をキャンセルするため駅に立ち寄り「残念ですが仕方ないですね。先週まで外食をしていましたが、感染は怖いのでできる限り控えます」と話した。

百貨店に食材を買いに来たという同市の60代の女性は「用を済ませたので、すぐに帰ります。外出は控えていますが、買い物をする楽しみまで奪われては息が詰まりそう」と足早に去った。

和歌山城の天守閣や動物園も閉鎖され、静かな週末に。19日午後3時ごろの城内は犬の散歩やウオーキングをする人、家族連れの姿もあったが、数えるほど。天守閣前に設けられた街並みが見渡せるベンチで、ゆったり過ごす人もいた。

マスク姿で歩いていた同市の76歳の男性は「運動しないと、自粛ばかりでは体がなまってしまう。天気が良かったので少しだけリフレッシュです」と話していた。

人通りが少なくなったJR和歌山駅前(19日午前)

人通りが少なくなったJR和歌山駅前(19日午前)