5年延ばした髪を寄付 木下惺煌君が医療用に
小児がんや無毛症、事故などで髪の毛を失った子どもたちに髪を提供する「へアドネーション」に協力しようと、和歌山県和歌山市の木下惺煌(せら)君(5)が5年間伸ばしていた髪をばっさり切った。
惺煌君は生まれてから髪の毛を一度もカットせず伸ばしており、「いっそ切るなら人のために役立てたい」という両親の考えから髪の寄付を決めた。
へアドネーションはカラーやパーマといった髪の状態に関係なく寄付することができるが、長さ31㌢以上が必要で、完全に乾いていなければならない。
カットは同市野崎の美容室「wish B'WAVE」で行った。オーナーの谷口好数さんによると、切った髪を寄付するという人は月に4、5人ほどいるという。背中まであるポニーテールをほどいた惺煌君ははしゃぎながら席に座った。谷口さんは約35㌢に伸びた長い髪を束に分け、1束ずつ順番に切っていった。
最後は髪型を整えて、爽やかなショートヘアに。初めて髪を切った惺煌君は「はさみがくすぐったかった。髪を切ってかっこよくなったと思う」、母親のあかりさんは「毎日髪を手入れしていたが、切れてさっぱりした。他の子どもたちの役に立ってくれるとうれしい」、父親の嘉人さんは「(惺煌君が)大きくなって、ヘアドネーションの意味を理解して、そういった考え方を持ってくれたら」と話した。
切った髪は寄付された髪で医療用かつらを作るNPO法人JHD&Cに届けられるという。