県産マグロ流通促進を キーノで解体ショー
新型コロナウイルスの影響で流通が滞っている和歌山県産マグロの消費を活発化しようと、南海和歌山市駅の複合施設「キーノ和歌山」で14日、本マグロの解体ショーが行われ、さばき立ての新鮮なマグロが販売された。
施設内に開店した梅吉(うめきち)水産と、鮮魚卸業のカネナカ水産(同市西浜)が協力して実施。売り場には串本町で水揚げされたブランドマグロ「よしだ本鮪(マグロ)」(体長約140㌢、重さ53㌔)が運ばれ、来店者は豪快で鮮やかにさばかれていく様子に見入った。切り分けたマグロは職人がその場でにぎり、すしや刺し身、ブロックで販売。試食もあり、大勢が「鮮度が抜群」「おいしい」などと舌鼓を打っていた。
カネナカ水産の中井一統代表(46)によると、外食需要の落ち込みで海産物の取引が減少する中、特にマグロのような高級食材は売れにくく、流通しても値崩れを起こしているという。
商品価値が下がり生産者を困窮させている現状を憂い、中井代表は「コロナの影響で仕方ないとはいえ、さまざまな商品が格安で販売されることに一石を投じたい」と話す。「正当な値付けがされないと、生産者の『いい物を作りたい』というモチベーションを下げる。海産物に限らず、全ての生産物で品質の良いものには相応の対価を支払う意識が広がれば」と話していた。