窓際使い、少人数で 部活動も感染対策徹底

和歌山県内の学校が通常授業を再開して約2週間。多くの学校では授業とともに部活動も再開している。県教育委員会はホームページに部活動再開のガイドラインを掲載。共用物の消毒や生徒同士の距離を空けるといった感染対策を十分に行うことや、運動部、文化部それぞれの留意事項と取り組み方を紹介している。生徒たちは予防策を講じながら、試行錯誤の中で練習に取り組んでいる。

県立桐蔭高校音楽部では、22日から活動を再開。3月に出場予定だった声楽アンサンブルコンテスト全国大会と定期演奏会が中止になり、4カ月近く部員が集まる機会がなかったという。休校期間中は部員がそれぞれ自宅で練習。ウェブ会議ツールを使って一緒に練習したり、歌った音声を合成して聴き合ったり、工夫を重ねていた。部長で2年生の大西こころさんは「コンクールがなくなったのはとても残念。3年生と歌う機会がなくなってしまった」と話す。

現在部員は中学、高校合わせて18人。練習とともに新入生の勧誘も行っている。感染対策のために少人数に分かれ、換気のできる窓際や外で練習。対面を避け、歌う時も極力マスクは外さない。夏のコンクールは中止になったが、課題曲が翌年に持ち越しとなったため、1年間じっくり練習できるようになった。

これからの部活動について、大西さんは「(再開して)みんなで歌うのは楽しくて幸せなことだと思った。この状況でも新しくできることもあるはず。みんなで考えていきたい」、顧問の有本利香教諭は「コンクールや演奏会ができるようになるまでの準備期間だと思う。今できることからしていかなくては」と話した。

 

屋外で練習する部員たち