大阪との県境「和泉山脈」
空から我が街を眺め、地上での日常生活では分かり得ない地形的特徴や景観、街の魅力を知る。鳥の目で俯瞰して見ることで新しい発見があるのではないか。
和歌山市の上空約1500㍍。1枚の写真で約10㌔を見渡せる位置から航空取材を敢行した。当コーナー500号を前に「空から紀州探訪」と題した特別企画。今一度、原点に立ち返り、和歌山の魅力を新たな視点からお伝えしたい。
和歌山市から北へ約20㌔。取材の始まりは関西空港の離陸から。北からの向かい風を受け離陸。眼下に関西空港を眺めながら大きく旋回し和歌山市を目指す。
間もなくして、和泉山脈が見える。手前に大阪府泉南市や阪南市の街並みを眺め、山脈の奥には私たちが住まう和歌山県が見えてくる。こうして見ると意外と大阪府との近さを感じると同時に和泉山脈の大きさが分かる。
和泉山脈は、南北約10㌔、東西約50㌔、標高400~900㍍の山々が連なる山脈で、大阪と和歌山を隔てる。最高峰は河内長野市と橋本市にまたがる標高922㍍の「南葛城山」。
この山脈の存在が、大阪と和歌山の文化や言葉(方言)の違いを生み出しているといえよう。文化や歴史をたどると、そこには大きな自然の力がうかがえる。(次田尚弘/泉佐野市上空)