PCR検査を委託 和歌山市がろうさい病院に
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の一環として和歌山県和歌山市は12日から、市PCR検査センターを和歌山ろうさい病院(木ノ本、南條輝志男院長)内に設置し、運営を委託する。現在、市保健所(吹上)内にある同センターは一時業務を休止し、感染が大きく拡大する場合には両所で業務を行うとしている。
市は5月20日に保健所内に同センターを設置したが、業務の長期化や検査数の増加に加え、食中毒への対応が必要な季節になったことなど他の業務も多忙となり、現場は疲弊しているという。
PCR検査業務を当面委託することで、さらに感染が拡大する事態に備えた対策などの業務に力を向ける余裕が生まれるとしている。
同院には最新のPCR検査機器が導入され、一日最大240件の検査が可能。また、保健所内のセンターでは、採取した検体を市衛生研究所に運ぶ必要があったが、同院では検体採取から検査まで一連の作業を院内でできるため、検査結果が分かるまでの時間も短縮される。
市と同院の契約締結式が7日、市役所で行われ、尾花正啓市長と南條院長が契約書を交換した。
尾花市長は「実質的に感染第2波に入ったと思っている。検査を委託できるのは心強く、保健所の機動力が高まり、さらに感染が拡大した場合も対応できる」と感謝。南條院長は「コロナ対応で行政は大変な苦労をされている。市と協力し、地域に貢献したい」と話した。
同院の検査センターは、毎週月・水・金曜(祝日除く)の午前10時から正午まで運営される。