和歌山市の80代男性死亡 消防署員らも感染
和歌山県は10日、新型コロナウイルス感染症で入院中だった和歌山市の80代男性が死亡したと発表した。また同日までに、県内の10~20代の9人が新たに感染したことが確認された。県内の死者は4人、感染者の累計は182人。14人が退院したため、入院中の患者は22人となった。
亡くなった80代男性は、7月13、22日に訪問介護サービスを受け、介護事業所の職員の感染が分かったため濃厚接触者として検査し、30日に陽性が判明した。入院治療を続けていたが、基礎疾患があり、8月7日から肺炎が悪化し重篤な状態となっていた。
8日に感染が発表されたのは、田辺保健所管内の20代男性消防職員1人。4日に友人らと計6人で和歌山市内で飲食やカラオケを共にし、同席した5人も、濃厚接触者としての検査で9~10日に陽性が発表された。
このうち9日に発表されたのは、那賀消防組合中消防署の20代男性消防職員、新宮保健所管内の20代男性消防職員、県外の大学に通い田辺保健所管内の自宅に帰省していた20代女子大学生の3人。10日には、残る和歌山市の20代無職の女性2人も陽性と判明した。同日はさらに、女子大学生の別居家族で田辺保健所管内の20代自営業女性の感染も発表され、関連の感染者は7人となった。1人は無症状、6人の症状は安定している。
消防職員の一部は発症後に救急車に乗るなどの業務があったが、乗り合わせた人はいずれも陰性が確認された。
この他、9日に感染が分かったのは、いずれも和歌山市の20代男性会社員と10代男子学生の2人。
男性会社員は7月31日に発表があった御坊保健所管内の20代男性の友人で、28日にマスクをせずに数時間話す機会があったという。8月1日に検査で陰性となったが、5日に発熱。頭痛や味覚異常があり、再検査で陽性が確認された。症状は安定している。
男子学生は5日から鼻汁やせきの症状があり、症状は安定している。6日には登校しており、同居家族を含めて濃厚接触者の検査を進めている。
4人目の死者が出たことを受け、県福祉保健部の野㞍孝子技監は「中高年者や基礎疾患のある人が重症化する例が見られるので、特に予防に注意してほしい。そうした人に接する医療や介護従事者は、体調不良の場合は勤務せず、家族が体調不良の場合も留意してもらいたい」と述べた。
また、県内全ての保健所管内で感染者が確認されたことについては「県外からの持ち込みや友人同士からの感染が増えている状況で、明らかな市中感染があるという認識はない。濃厚接触者をしっかりと把握し、感染の拡大防止を図っていきたい」と話した。