「和歌山梅酒」GIに指定 リキュールでは全国初

地域で長年育まれた伝統を持つ農林水産物や食品を知的財産として国が保護する地理的表示(GI)に7日、和歌山県産梅を使った梅酒「和歌山梅酒」が指定を受けた。国税庁によると、酒類のGI指定は全国で13例目。リキュールでは全国初となる。一定の基準を満たす生産者だけが商品にロゴマークを使用でき、ブランド力の向上に期待がかかる。

GIは、産地名の適切な使用を促進する国の制度。指定を受けることで品質の高さ、信頼性、安全性、ブランド力が大きく高まる。特に海外ではGI指定商品に高い信頼性があり、ビジネスチャンスが広がると期待されている。

「和歌山梅酒」は、梅の実には県内で収穫された新鮮な青梅か完熟梅のみを使用▽アルコールは10・0%以上35・0%未満▽梅の実の酒類への浸漬、酒造工程時の貯蔵、容器への詰込は県内で行う――などが主な生産基準となる。

県は梅の生産量日本一を誇り、梅酒のブランド化を図ろうと、県内の酒造会社や食品会社の関係者らがGI指定の取得を目指して活動。8月26日にGI和歌山梅酒管理委員会を設立し、会長には中野BC㈱(海南市藤白)の中野幸生会長、副会長には平和酒造㈱(同市溝ノ口)の山本文男会長、中田食品㈱(田辺市)の中田吉昭社長、㈱梅一番井口(みなべ町)の北村泰之取締役が就任した。

和歌山梅酒のPRに向け、県は首都圏の百貨店などでGI和歌山梅酒フェアを開催したり、ヤフー・ショッピングの「ふるさと和歌山わいわい市場」にGI和歌山梅酒特設コーナーを設置したりする。同委員会は大阪国税局とタイアップしてイベントを開催し、SNSなどを活用して魅力を発信する予定。

指定を受け、8日には同委員会の関係者らが和歌山市の県庁で記者会見し、中野会長は「大変うれしい。和歌山の梅酒のブランドをもっともっと高めていきたい」と抱負。県食品流通課の赤坂武彦課長は「海外でも梅酒がだんだん売れてきている。イベントでPRしブランドを確立していきたい」と意気込みを示した。

 

記者会見で意欲を示す中野会長㊨ら

 

「和歌山梅酒」の認定ロゴマーク(GI和歌山梅酒管理委員会提供)