和歌山市議ら7人感染 県が早期受診呼び掛け
和歌山県は16日、県内の10~40代の7人が新たに新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表した。いずれも症状は安定している。このうち1人は和歌山市の男性市議(47)で、市は市役所本庁舎3階の共有部分と市議の所属会派控え室を消毒した。県内の感染者は累計333人で、9人が退院し、入院中の患者は41人となった。
市議は14日に感染が発表された50代男性と、9日に同じ会議に出席。14日から発熱などの症状が現れ、15日に濃厚接触者としての検査で陽性と判明した。
14日に感染が発表された30代会社員女性の関係では、いずれも岩出保健所管内に住む、30代パート職員女性、20代会社員女性、10代男子大学生、40代パート職員女性、10代女子高校生の5人が濃厚接触者としての検査で感染が確認された。
30代パート職員女性は30代会社員女性の別居家族で、感染が確認されている別の家族と10日に食事を共にしていた。
20代会社員女性と10代男子大学生は30代会社員女性の友人で、3日に会食をしていた。40代パート職員女性と10代女子高校生は10代男子大学生の同居家族。
10代男子大学生は大阪府内の大学に通っており、最も早い4日から鼻水や咽頭痛、味覚異常などの症状が出ている。一連の最初の感染者とみられ、家族間や友人との会食を通じて感染が広がったと考えられる。検査で陽性と判明したが、発症から10日以上が経過し、すでに症状は収まっているため、入院はせず、健康観察となった。
10代女子高校生は和歌山市内の高校に通っており、同学年の友人4人を検査し、さらに検査の必要がある人がいないか調査している。高校は休校などの措置は取っていない。
もう1人の新規感染者は、橋本保健所管内に住む介護事業所事務職員の40代女性。11日から発熱やせきなどの症状があり、複数の医療機関を受診。14日に検体を採取し、陽性と判明した。大阪府内に通勤し、職場関係の接触者の検査は府に依頼している。
また、12日に発表された40代女性が、酸素投与が必要な重症となっていることが明らかにされた。
記者会見で県福祉保健部の野㞍孝子技監は、最近の感染事例について「医療機関の受診が遅いのではないか。症状があれば、できるだけ早く相談してほしい」と県民に呼び掛け、さらに風邪症状が出やすい寒い季節となり、家族間の感染の広がりにも注意が必要だとして「マスクの着用や手洗いなど基本的な感染防止に努めてもらいたい」と話した。