避難所での感染防げ 和歌山市職員が運営訓練
新型コロナウイルスをはじめ、災害発生時に避難所での感染症対策に万全を期すため、和歌山県和歌山市は16日、避難所の開設、運営訓練を土入の市民体育館で行い、職員約100人が避難者の健康状態の確認や、感染の疑いがある人を専用スペースに誘導する手順など、対応を確認し合った。
市内には小中学校など103カ所の指定避難所があり、今回の訓練には各避難所の運営担当職員らが参加。会場の過密を避けるため、午前と午後の2回に分けて実施した。
職員らは、体育館アリーナで段ボールを使った間仕切りやベッドの組み立て、床に敷くなどして使うエアマットに空気を注入する作業など、一般避難者用エリアの設営を行い、着替えや授乳のためのスペースにするテントも設置。別室には、飛沫(ひまつ)を防ぎ、感染の疑いがある人が避難できるテントのスペースを用意した。
体育館の入り口前には避難者役の職員が集まり、受け付けの職員は社会的距離を保って並ぶよう呼び掛け、検温と体調の確認をした上で、熱がある人や体調不良の人を別の入り口に誘導。体調に異常がない人はアリーナに移動してもらい、要援護者は段ボールベッドがあるスペース、それ以外の人は通常の間仕切りスペースに案内した。
川﨑勝危機管理局長は、過去の災害の教訓から、新型コロナだけでなく、インフルエンザやノロウイルスなどの集団感染にも警戒する必要があるとし、「避難所でクラスター(感染者の集団)発生の恐れがある。感染対策に配慮したポイントを訓練し、いざというときに生かしてほしい」と職員に呼び掛けていた。