成人式前後の会食は控えて 感染拡大で知事
仁坂吉伸知事は6日、和歌山県庁で臨時の記者会見を開き、県内で新型コロナウイルスの感染者が増加傾向にあることを踏まえ、県民に対し感染予防対策を徹底することや、連日多くの感染者が確認されている首都圏との往来は控えることなどを呼び掛けた。新成人には、成人式の前後に大人数で会食をしないよう求めた。
県内では5日に17人の新規感染者が発表され、一日当たりの過去最多を更新。入院患者数も最も多い83人になるなど、昨年末以降、感染者が急増している。
仁坂知事は県内の感染者数について「和歌山県にしてはかなり多い。入院患者数も一時は21人まで下がったが、急速に増えている。あまり楽観視はできない。感染経路不明者の割合も前より増えている。感染はかなり拡大していると思っていただきたい」と述べた。
政府が東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都3県を対象に緊急事態宣言を発令する方針を固めたことについては「妥当だと思う」と理解を示した上で、1都3県の行政のコロナ対応については「都民、県民に対して注文ばかりしているが、(感染拡大を)食い止める努力や医療のキャパシティーを増やす努力も同時にしなければいけないのでは」と苦言を呈した。
休業要請などに応じない事業者への罰則規定などが焦点となっている新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を巡る動きについては、「もうちょっと法律的に権限を強めてほしい。野党の方も協力し、ぜひ速やかに改正してほしい」と述べ、18日開会の通常国会での改正成立に期待を示した。
県内市町村の成人式は10日を中心に予定されており、2~3回に分散しての開催、内容の一部変更や短縮、保護者や付き添い人の入場を認めないなどの対応をして開催する市町村が多くなっている。
仁坂知事は「開催する主体は市町村。儀式自体はそんなに感染リスクは高くないと思う」との認識を示した。
県民に対しては「県内は検査能力は十分ある。(体調に異変を感じた場合は)どんどんクリニックに行ったり、専用ダイヤルに連絡してほしい」「長時間、大人数での飲食などリスクの高いことはやめていただきたい」と、これまでも「お願い」として呼び掛けてきた内容を繰り返し、理解と協力を求めた。