コロナ禍に光る182点 第74回県展始まる
和歌山県が主催する県内最大の公募美術展、第74回県美術展覧会「県展」の本展が13日、和歌山市内2会場で始まった。7部門の応募313点の中から入賞・入選182点が選ばれ、洋画・日本画・書・写真・工芸・彫塑は県立近代美術館(吹上)、華道は県民文化会館(小松原通)で17日まで展示されている。
初日は近代美術館で開会式が行われ、田嶋久嗣県企画部長があいさつ。感染が再拡大する新型コロナウイルスの影響にふれ、「作品を出していただけるのか心配していたが、多くの出展があり、無事に開会式を迎えられた」と感謝した。
共催、協賛団体の代表者らがテープカットを行った後、出席した約40人は会場に入り、力作ぞろいの作品をゆっくりと鑑賞した。
「わたしのVeneziaⅡ」で洋画部門の優秀賞を受賞し、通算6回目の入賞により招待作家の資格を得た和歌山市和歌川町の藤谷万里子さんは「コロナで旅行ができず、風景を見に行けなかったのはつらかった」と振り返りつつ、「地元の大切さを強く感じる機会にもなった。今後は和歌浦など近くの風景をもっと描いていきたい」と話していた。
両会場とも午前9時半~午後5時(県民文化会館の最終日は3時)。招待作家部門の展覧会も同会館で同時開催。表彰式は16日に近代美術館で行われる。