コロナを「うそ」に 和歌浦天満宮で神事
新型コロナウイルスの感染拡大を「うそ」に取り替えて――。そんな願いを込めて、和歌山県和歌山市和歌浦西の和歌浦天満宮(小板政男宮司)で25日、鷽替(うそかえ)神事が行われ、「替えましょう」の言葉とともに、禰宜の小板政規さんと巫女(みこ)が木製の鷽鳥(うそどり)を交換し合った。
同神社によると、天満宮ゆかりの菅原道真公が蜂の大群に襲われた際、鷽鳥の大群に助けられたとの言い伝えがあり、一年に起こった疫病などの凶事をうそ(鷽)にし、幸運に取り(鳥)替えることを願う神事。全国の天満宮だけに伝わる特別なものだという。
同天満宮では鷽鳥を模した木製の御守りを授与しているが、創建1000年以上の歴史を誇る同神社でも神事を行った記録はないという。この日は、桃の花を献花する月次祭と併せて執り行った。
神事のために小板禰宜が手作りした鷽鳥は、3密に掛けて3羽用意。2年前の台風で倒壊した稲荷の鳥居の一部を再利用した。2月2日の節分まで本殿前に飾られる。
小板禰宜は「新型コロナウイルスの影響で先が見えない日々だが、鷽鳥のお守りでうそに取り替え、コロナ前に時を戻してもらえれば」と願っていた。