より地元密着 アルテリーヴォ今季始動
和歌山県内初のサッカーJリーグ入りを目指しているアルテリーヴォ和歌山(関西リーグ1部)が2021シーズンのスタートを切った。さらに和歌山に密着し、サッカー熱の裾野を広げようと、清掃などの地域貢献活動にも力を入れる。ファンクラブも一新し、新たなオフィシャルグッズも発売。イルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」の会場を貸し切りにした感謝イベントも実施し、サポーターをはじめ地域との絆は強まっている。
昨シーズンの関西リーグは、新型コロナウイルスの影響で試合数は半分の7試合となった。アルテリーヴォは、2勝2敗3分の6位とリーグ戦では思うように結果を残せなかったが、天皇杯JFA全日本サッカー選手権大会では、県勢最高成績の4回戦進出と躍進した。
今季こそJFLへ まちの清掃活動も
選手が入れ替わり、新チームは1月に始動。主将のMF大北啓介選手は「多く入ってきた若い選手の能力を引き出す環境をつくり、今までの選手と融合して、必ずJFL(日本フットボールリーグ)に上がりたい」と昇格へ意気込む。
ピッチ上だけでなく、もっと和歌山のまちに溶け込んでいくチームを目指し、1月16日には選手とスタッフが和歌山城周辺とけやき大通りの清掃活動を実施。地元の美化に取り組む人たちと協力して今後も活動を継続したいと考えており、一緒に清掃しようという団体や企業などを募っている。
サポーターに感謝 交流イベント盛況
22日にはフェスタ・ルーチェを開催中の和歌山マリーナシティでイベントを実施。新型コロナウイルスの影響で我慢を強いられている子どもたちを入場無料としているフェスタ・ルーチェ実行委員会に賛同し、実行委が行ったクラウドファンディングで、会場を貸し切る権利を購入した。
当初は、チームがサッカー教室などで交流を深めてきた児童福祉施設の子どもたちを招待しようと「選手とスタッフが一致して決めた」(児玉佳世子ゼネラルマネジャー)が、感染状況の悪化により施設側が辞退。パートナー企業の関係者やサポーターなど、コロナ禍の中でチームを支え続けてくれた人たちを招くことになった。
フリーアナウンサーの宇和千夏さんと県住みます芸人「わんだーらんど」の3人がMCを務め、会場内に隠れている選手たちを探し出し、色紙にサインを集めて回る企画などで会場は盛り上がった。チームのサッカースクールに参加している安原小学校2年生の松本康希君(8)と坂本気吹君(8)は「リーヴォは強い。これからも応援したい。サインがもらえてうれしい」とにっこり。
シンガー・ソングライターの藪下将人さん、あきゆらさんのライブもあり、実行委の古澤良祐会長はあいさつで、児童福祉施設の子どもたちの招待について「次の冬のフェスタ・ルーチェで実現したい」と話した。
監督と選手、スタッフによるダンスとリフティングのパフォーマンスでは、世界を巡るクルーズ客船などで踊ってきたダンサーで、昨夏からチームのマネジャーを務める吉田郁生さんがキレのあるダンスを披露し、選手たちも華麗な足技を見せた。
ファンクラブ一新 カルチャーも発信
吉田さんは、チームの新しいオフィシャルグッズのロングTシャツなどのデザインも手掛ける。
新グッズは、ファンクラブの一新に合わせて2月1日に発売開始。「CLUB ARTERIVO(クラブ・アルテリーヴォ)」に名称が変わったファンクラブでは、特典として会員限定グッズのプレゼントやオフィシャルグッズの割引購入、月2回の「NEWSレター」配信などが受けられる。
北口雄一監督は「これからはもっと和歌山のカルチャーの部分にも浸透していきたい」と話し、スポーツにとどまらない存在感を発揮するチームとして、飛躍が期待される。