小園だけじゃない 市高の充実した投手陣
19日開幕の第93回選抜高校野球大会に出場する市和歌山。エース・小園健太投手(2年)ばかり注目されがちだが、他にも良い投手がいる。6日の練習試合では、米田天翼(つばさ)投手(1年)が向陽を相手に6回無失点の好投。他の投手も冬場に力をつけており、登板機会を虎視眈々(たんたん)とうかがっている。
チームは昨秋の近畿大会で4強入りしたが、小園投手の力に頼る部分が大きかった。米田投手は和歌山東との和歌山県二次予選決勝で先発したが初回から思うような投球ができず、2回2失点で降板。近畿大会の準決勝・智弁学園戦(奈良)でも先発したが、2回途中でマウンドを降りることになり、チームも1―4で敗れた。
秋の悔しさを胸に冬場は直球の球速アップ、変化球の精度向上などを目指して練習に打ち込んだ。変化球はスライダーを中心に、カーブ、ツーシーム、カットボールなどと多彩。最速140㌔超の直球と変化球のコンビネーションでアウトを重ねていく。
向陽戦では4回から登板すると、右上手から直球と変化球を早いテンポで制球よく投げ込み、巧打者ぞろいの相手打線をわずか1安打に封じ込めた。8回には3者連続で三振を奪うなど、圧巻の投球だった。
試合後の取材で米田投手は「直球で押す投球が好き。きょうは直球を中心にテンポよく投げられた」と笑顔。兄の航輝さんは市高野球部OBで、19年春に主将として選抜に出場した。航輝さんからは甲子園でのプレーについて「まずは楽しむ気持ちが一番大事」と助言を受けたという。
チームには米田投手の他にも、昨秋の近畿大会で好投を見せた技巧派右腕の伊藤晃宏投手(2年)、左腕の宮本勇投手(1年)らが控える。市高の投手陣からますます目が離せない。