『ゴルゴ13』200巻到達 ギネス記録に並ぶ

和歌山市出身の劇画家さいとう・たかを(本名=齊藤隆夫)さん(84)が手掛け、青年漫画誌「ビッグコミック」(小学館、月2回刊行)で長期連載中の人気劇画『ゴルゴ13(サーティーン)』が今月5日、200巻に到達し、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治著)が持つ「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」のギネス記録に並んだ。

『ゴルゴ13』は、タイトルのコードネームを持つ超一流スナイパー(狙撃手)デューク東郷が主人公。ゴルゴは不可能と思える依頼さえも完全に遂行し、依頼者の裏切りを決して許さないなど独自のルールを持つストイックな完全主義者で、素性は謎に包まれている。

1968年11月に連載がスタートし、53年目を迎えているが、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年初めて休載になった以外は、途切れることなく制作が続けられている。7月に201巻が発売される予定で、ギネス世界記録の更新は確実となっている。

単行本などの総発行部数は2億部を超える。連載順に掲載されたコミックの他、過去の作品をテーマ別に再編集したリミックス版がコンビニエンスストアなどで販売され、根強い人気がある。

各時代の国際情勢を反映させたストーリー設定で、実在の政財界の要人らを思わせる人物も数多く登場してきた。

記念の200巻のタイトルは「亡者と死臭の大地」。表題作は、反政府ゲリラに悩むアフリカの独裁国家に農業利権を狙う中国が接近し、ゲリラ殲滅(せんめつ)のためにジャングルに毒バエを大量投下するというもので、巻き添えになったゴルゴはゲリラの女と共に治療薬を探す。

200巻を記念するデジタルプロモーション(https://www.leed.co.jp/golgo200/)も実施中。インスタグラムのアプリでアクセスできる「ARフィルター」では、カメラで顔を認識すると、特徴的な切れ長な目と太い眉のゴルゴの顔に変身できる。

シャッターボタンで写真や動画を撮影し、「#ゴルゴ祝砲」で投稿すると、抽選でクオカード3000円分が当たる。7月4日まで実施している。

【さいとう・たかを】1936年、西和佐村(現和歌山市)に生まれ、大阪市や福泉町(現堺市)で育つ。55年に『空気男爵』でデビュー。68年11月発売のビッグコミックで『ゴルゴ13』の連載をスタートし、コミック界の連載最長記録を更新し続けている。2003年に紫綬褒章、10年に旭日小綬章を受章。17年度の県文化賞を受けている。

ギネス世界記録に並んだ『ゴルゴ13』200巻

ギネス世界記録に並んだ『ゴルゴ13』200巻