スマホ給油でリスク軽減 石橋が新システム
新型コロナウイルス感染予防対策の一環として、㈱石橋(和歌山県印南町印南、石橋幸四郎代表取締役)は11日、和歌山市内などのセルフ式ガソリンスタンド4店舗でスマートフォンを使った給油予約システムを導入した。セルフ式の給油の際には利用客が操作盤に触れる必要があったが、事前にスマホ予約をしておけば操作盤での接触操作を省いて給油可能となり、感染リスクが軽減されるという。
従来のセルフ式ガソリンスタンドでは、客がガソリンの種類や量を選択するため操作盤に触れる必要があった。不特定多数の客が操作盤に触れるため、石橋が運営するセルフ式のスタンド「Gastaセルフ」では給油後に客が自分で除菌できるアルコール消毒スプレーを設置するとともに、操作盤や給油ノズルなどの機器設備をこまめにアルコール消毒するなど感染対策を行ってきたが、店舗混雑時の消毒作業は困難で、除菌には少し不安があった。
給油予約のスマホアプリは、NECプラットフォーム株式会社(東京都)が開発した既存の飲食店予約アプリ「Putmenu」を利用する。今回さらにこの給油予約アプリを石橋が自社の販売管理用パソコンと連動できるよう改良し、オリジナルの給油予約システム「Gastaスマホ給油」を開発した。県中小企業団体中央会のものづくり補助金を活用。
利用客は、事前にスマホに「Putmenu」をインストール(無料)。アプリを立ち上げて来店2時間前に給油店舗やガソリンの種類、量の選択と決済手続きを済ませておけば、来店時には店舗に設置しているQRコードを読み取るだけで、給油ノズルを使って給油できる仕組み。操作盤への接触がなく感染リスクを減らせる上、混雑時にもスピーディーに給油できる。決済方法はクレジットカードやコード決済となっており、キャッシュレス化にも対応している。
石橋では和歌山と大阪でセルフ式ガソリンスタンド計12店舗を運営。スマホ給油予約が導入されるのは和歌山市内の和佐、紀三井寺、田屋の3店と、海南市の下津店。うち和佐、紀三井寺、下津の3店ではこのスマホ給油予約に洗車機も連動させており、操作盤を触らず洗車ができる。今後は様子を見ながら、印南店など他店での導入も検討していく。
石橋代表は「コロナで大変な時ですが、安心して給油してもらえるシステムができましたので、ご利用ください」と話している。