6割が変異株、高齢者増 県が第4波を分析
和歌山県は12日、県内で発生した新型コロナウイルスの「第4波」(ことし3月14日以降)について、変異株ウイルスの感染が61・3%だったと発表した。また、幅広い世代で感染拡大が見られ、感染者に占める高齢者の割合も高くなっている。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「感染のしやすさが数字に表れている。基本的な感染予防対策をしっかり行っていただきたい」と呼び掛けた。
3月14日から5月11日までに感染を発表した1217人のうち、家庭内感染などウイルスのタイプが同一と考えられる感染者333人を除き、884人を調査した。その結果、変異株は542人(61・3%)、従来型は300人(33・9%)、不明は42人(4・8%)だった。変異株はイギリス型とみられる。
年齢別の感染者数は、第1波が50、60代が中心、第2波は20代以下の若者が中心、第3波は全年齢に感染が広がり特に高齢者と小児の患者数が増えた。感染者に占める70代以上の人の割合は、第1波が14・3%、第2波は7・5%、第3波は16・8%だったのに対し、第4波は21・0%に上昇した。
野㞍技監は第4波について「当初、若い人から感染し、その後70歳以上の高齢者の割合が増えた」と感染拡大の過程を説明。「カラオケのクラスターが多い」と話した。
感染経路については、家庭内が最も多い284件で、県外からの持ち込みが132件あった。第3波が始まった11月以降、感染経路不明の割合が除々に高くなり、第4波の4月は感染経路不明の人の割合が最も高くなった。第4波については若い世代で肺炎の併発率がそれまでより高く、酸素投与が必要な人も多い。最近1カ月間に退院した感染者についてみた場合、無症状だった感染者のうち約半数は入院後発症し、3割近くは肺炎を併発したという。
野㞍技監は「公衆衛生意識が大事」と強調し、「個々人が感染予防対策を徹底し、集団感染をさせないことが重要」と話した。