サイバー犯罪防止へ 県警が専門学校に委嘱
インターネットを利用した犯罪の被害防止を目指し県警は4日、和歌山コンピュータビジネス専門学校(和歌山市黒田)に「サイバー防犯ボランティア」を委嘱した。同校は2017年6月の初委嘱以来、毎年再委嘱を受けており、今回で5回目。
同校で行われた委嘱式では、県警サイバー犯罪対策課長の岡田謙吾警視から三木繁清校長に委嘱状が手渡され、これまで同様、サイバー犯罪被害防止のための教育や広報啓発活動、サイバーパトロールを依頼した。
岡田警視は、新型コロナウイルスの感染拡大でオンライン授業やテレワークなどが急速に普及したことを挙げ、「サイバー空間が公共性の高い場所になっている」と話した上で、「サイバー犯罪は新たな手口が生み出され、巧妙化を続けている」と指摘。同ボランティア活動を通し、「多くのインターネット利用者の意識を高め、サイバー空間の脅威低減につながれば」と期待した。
三木校長は「学生の意識を高めることにもつながり、国民の一人として、防犯に少しでも役立てればうれしい」と話した。
県警によると、昨年1~12月で把握しているサイバー犯罪に関する相談は1360件。ことしは4月末までの時点で563件あり、増加が見込まれるという。同課サイバー人材育成室長の射場一博次席は「警察だけでは限界があるので、官、民一体となって裾野を広げる活動をしていければ」と話した。