ぴったりカルガモ親子10羽 楠本の用水路で

母鳥の後ろにぴったりと引っ付く9羽のカルガモの赤ちゃん。先は行き止まりで、どうしようとお互いに顔を見合わせているようにも見える。

14日午後2時半ごろ、カルガモの親1羽と子ども9羽の姿が和歌山市楠本の用水路で確認された。撮影した近隣の社会福祉法人一麦会くろしお作業所の川崎愛香さん(32)によると、この場所でカルガモの成鳥を見ることはあっても、子どもの姿を見るのは初めてだという。

同施設の職員が、田んぼに水を引くための用水路にカルガモの親子がいるのを発見。職員や下校途中の小学生などが見守る中、人がいるのにびっくりした親子は逃げ出し、用水路の行き止まりでストップすると、身を寄せ合った。なんとか逃げようと、母鳥が急に用水路から田んぼに飛び移り、羽をパタパタするなどけがをしているようなしぐさで自分に注意を向け、子どもたちだけでも逃がそうとしているような場面もあったという。

その後、同施設の職員が、行き止まりとは反対側に親子を誘導。深さと流れがある場所にたどり着いた親子は、スイスイと泳いでいったという。

川崎さんは「はじめてなので、ワー、子どもたちかわいいなと。母親について行けず離れても、必死についていこうと泳ぐ子もいた」と話し、かわいい姿に職員たちも目が離せなかった様子。

その日の夕方には職員が同市山口地区の用水路でカルガモの親子を見掛けており、川崎さんは「場所も近いし、もしかしたら、あの親子かな」とにっこり。

 

身を寄せ合うカルガモの親子(川崎愛香さん撮影)