大規模停電に備えて 関西電力送配電が訓練

台風シーズンを前に、関西電力送配電㈱和歌山支社(和歌山市岡山丁、西上宏明支社長)は22日、同市毛見の琴の浦訓練場で非常災害時における復旧訓練を実施した。

関西電力の送配電部門を担う同社は、電力の安定供給のため、鉄塔や電柱といった送配電設備の維持や管理などにあたっている。この日の訓練では、台風による飛来物が原因で避雷機(ひらいき)が破損し停電したという想定のもと、現場設備の保全要員4人が電柱4本の中から原因箇所を見つけ、復旧作業を行った。

同訓練は、2018年に発生した台風21号により配電設備が甚大な被害を受け、広範囲かつ長時間にわたって停電が発生したことを教訓に始めた。以降、年2回(6月、12月)、同社の他部門の職員らも一体となって非常災害時に備えられるよう、定期的に訓練を続けている。

この日も他部門の職員26人を合わせた40人以上が参加。約30分の訓練を終え、同社電力本部和歌山配電営業所の田中義明さんは「日頃の訓練の成果が表れ、スムーズにできた」と振り返り、「いつどこで発生するか分からない非常災害時に、台風21号の教訓を忘れることなく、一丸となって早期送電できるように努めます」と話した。

田中さんは、「早期送電」をモットーとした上で安全最優先を強調。「現場の作業員には無理せず自分の安全は自分で守ってほしい」と伝え、県民に対しては「台風の被害で導線が切れたり、垂れたりしていても絶対に触れず、見つけた際には弊社にご連絡ください」と呼び掛けた。

同社では、関西エリアの停電情報をリアルタイムに確認できる無料アプリ「関西停電情報」を提供しており、利用を呼び掛けている。停電情報は、府県、市区町村、地区ごとに確認でき、地区まで絞り込むと、復旧作業の進捗(しんちょく)状況や復旧見込み時間などの詳細を知ることができる。

非常災害時に備えて訓練を行う作業員ら

非常災害時に備えて訓練を行う作業員ら