海転落の男性を救助 海南郵便局員に感謝状

和歌山県の海南海上保安署と海南市消防本部は6日、同市下津町塩津漁港で海中転落した男性を救助したとして、日本郵便㈱海南郵便局勤務の小川卓哉さん(38)に感謝状を贈った。

同署によると、先月の15日午後3時ごろ、同漁港内で漁業者の男性(86)が係留中の自身の小型漁船(長さ5・85㍍)に乗り移ろうとロープを手繰り寄せていたが、バランスを崩して転落。小川さんは同付近の配達を終え同局に戻ろうとしていたところ、先に転落者を発見したもう一人の救助者の協力を求める声を聞き、ただちに駆け付け、共に船の上から男性を引き上げ救助した。

この日、同郵便局で行われた感謝状の贈呈式で小川さんは「約10年勤務しているが初めてのこと。本当に無事で良かった」と笑顔。同市消防本部の竹田正樹消防長は「まずは自分の安全を確保して、救助者が命を落とさないよう救助に協力してもらえたら」と話した。

同保安署の上田浩一署長は「思わぬ大きな波が来ることがある。大丈夫と思わず必ず救命胴衣の着用をお願いしたい」と注意を促した。

もう一人の救助者は消防隊員に引き継いだ後、その場から立ち去ったため名前が分かっていない。同保安署は感謝状を贈呈したいと考えており、名乗り出てもらえればと呼び掛けている。

 

表彰を受ける小川さん