地域活性化へ 和歌山市とぐるなびが協定

和歌山市と飲食店予約サイトを運営する㈱ぐるなび(東京都千代田区)は27日、観光や食文化の振興などを目的に、「和歌山市地域活性化起業人に関する基本協定書」を締結した。同社は9月から「地域活性化起業人」として社員2人を同市に派遣。都市部から人の流れを創出する他、魅力ある観光の振興や地域産品などのブランド化の推進業務に従事し、同市への交流人口の創出や拡大、移住定住の推進を図る。期間は3年間を予定している。

総務省の地域活性化起業人制度(企業人材派遣制度)を活用したもの。市に派遣されるのは西原史郎さんと沼滝司さん。すでに市内で新生活をスタートさせている。

市長室で行われた協定締結式では、尾花正啓市長と同社の杉原章郎(あきお)代表取締役社長が協定書を交わした。尾花市長は「住んでいただき、和歌山の魅力を最大限知って発信や開発につなげてもらいたい」と期待を込めた。

同社が同制度を使って社員を派遣するのは、島根県邑南町に続き2例目となる。同町には4月から社員が1人派遣されており、地元の食を生かして地域を活性化させる事業を進め、現在は地元だけでなく中国地方に「グルメの町」として広く知れ渡り、多くの人が訪れるようになった成功例を持つ。

杉原代表取締役社長は「知り得なかったところを知らしめることができた」と喜びを表し、「注目されることで活性化につながり、派遣社員のやる気にもつながるいいサイクルが、和歌山でもはまれば」と期待。

同市に派遣された西原さんは「資源はまだ眠っているはずなので、掘り起こして輝かせたい」と話し、これまで同市を訪れたことがなかったという沼滝さんは「なぜ1回も来なかったのかを考え、まずは自分が和歌山ファンになり、いろんな人に魅力を伝えていきたい」と意気込んだ。

協定書を手に尾花市長㊧と杉原代表取締役社長

協定書を手に尾花市長㊧と杉原代表取締役社長