景況マイナス幅縮小 人手は不足気味が拡大

近畿財務局和歌山財務事務所の景気予測調査(8月15日時点)で、県内企業の7~9月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は、3期連続で「下降」超となったが、前期のマイナス13・5から同4・0にマイナス幅が縮小した。先行きは、新型コロナウイルスの影響が見通せないものの、プラスに転じている。

産業別のBSIは、製造業がマイナス10・8(前期マイナス12・8)、非製造業が0・0(同マイナス14・0)にいずれも上昇した。

先行き見通しは、全産業で10~12月期は5・1に回復が見込まれているが、来年1~3月期は0・0で再び下降となっている。

規模別のBSIは、大企業(資本金10億円以上)が8・3(前期0・0)でプラスに転じ、中堅企業(1億円以上10億円未満)はマイナス2・8(前期マイナス14・7)、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス7・8(前期マイナス16・0)でマイナス幅が大きく縮小した。

規模別の先行き見通しは、10~12月期で大企業がマイナス16・7に落ち込んでいるが、中堅企業は13・9、中小企業は3・9とプラスに転じている。来年1~3月期は、大企業が16・7に上昇するが、中堅企業は2・8、中小企業はマイナス5・9に下降する見込みとなっている。

企業からは、「中国の内需向けが活発なことから、中国や欧州の設備投資需要が回復してきている」(生産用機械)、「8月中旬以降、4度目の緊急事態宣言発出の影響などから、多数の予約キャンセルが発生するなど客数は減少している」(宿泊)、「ウッドショックによる仕入れ価格の上昇や、感染再拡大による影響が見通せないことから先行きは不透明」(不動産)などの声がある。

雇用情勢は、9月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で17・3(6月末時点1・1)で、「不足気味」超が拡大。今後の見通しは、12月末が15・3、来年3月末が17・3で、現状と同水準で推移している。

全産業でみると、2021年度の売上高は前年度比で2・6%の増収、経常利益は13・5%の減益、設備投資は1・6%減の見込みとなっている。

調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に実施し、99社(回収率88・4%)から回答を得た。