商業地は下落率拡大 21年の県内地価調査
和歌山県は21日、県内213地点の2021年地価調査の結果を発表した。県全体の平均変動率は、住宅地が1991年から31年連続、商業地は92年から30年連続の下落となり、住宅地の下落率は横ばいで推移したが、商業地は2年連続で拡大した。
地価調査は、毎年7月1日を時価時点とし、基準値の価格を判定する。1974年の予備調査を含め、ことしで48回目。
県内の林地を除く用途の対前年平均変動率はマイナス1・3%で、下落率は昨年9年ぶりに拡大した1・3%から横ばい。前年からの継続調査地点202地点のうち、価格が上昇したのは2地点、横ばいは30地点、下落は170地点となった。
用途別では、住宅地の平均変動率がマイナス1・4%だったが、下落率は昨年9年ぶりに拡大した1・4%から横ばい。価格上昇地点は印南町と串本町の2地点で、津波被害が懸念される紀中・紀南地方の高台の地点だった。価格上昇地点があるのは9年連続。価格横ばい地点は18地点で、うち和歌山市が11地点と半数以上を占めた。
商業地は平均変動率がマイナス1・2%で、下落率は昨年の1・1%から2年連続で拡大した。価格上昇地点は8年ぶりにゼロとなり、横ばい地点は11地点(和歌山市9、田辺市2)。和歌山市の平均変動率はマイナス0・5%で昨年に引き続き2年連続で下落し、下落率も0・4ポイント拡大した。
工業地の平均変動率はマイナス1・2%。下落率は昨年より0・2ポイント縮小となった。
都道府県別の全国順位(上昇率の高い順)は、住宅地が前年より5位下がり42位。商業地も2位下がって28位となった。近畿2府4県の中ではいずれも6位。
価格上位地点は、住宅地の最高が9年連続で「和歌山市吹上4丁目6番10」。1平方㍍当たりの価格は19万4000円で前年と同じだった。商業地は「和歌山市友田町5丁目50番外」が23年連続で最高価格地点となった。1平方㍍当たりの価格は前年と同じ44万2000円。
県地域政策課によると、住宅地、商業地ともに地価の平均変動率が30年以上連続して下落となった主な要因は、少子高齢化や地域経済の低迷、自然災害の懸念などが挙げられるとし、ことしは新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が加わり、特に和歌山市中心部の住宅街や商業地の変動率が悪化したとみられるとしている。