前向き子育て学ぶ オンライン講座を開始
NPO法人和歌山子どもの虐待防止協会は、0~12歳の子どもを持つ親向けの学習プログラム「トリプルP前向き子育てプログラム」のオンライン講座を、和歌山県在住者に限定し、日本で初めて無料提供を始める。同事業は、休眠預金等活用新型コロナウイルス対応緊急支援として、信頼資本財団が行う助成事業により実施。
同プログラムは、オーストラリアで臨床心理学を専門とする大学教授が心理学の認知行動療法をベースに、「子どもがのびのび育つための温かな家庭環境作り」と「家庭・学校・地域社会における問題の予防」を目的に創設したもの。現在、25カ国以上で実施されている。
県立医科大学保健看護学部の特別顧問で、同協会の柳川敏彦事務局長が約20年前、同プログラムを日本に導入。市町村と協力し、子育て中の保護者や児童養護施設の職員らに提供するなど、県内でも幅広く展開してきたが、新型コロナウイルス感染症の影響で対面での講演会などの機会が減った。
不安やイライラを抱えがちなコロナ禍だからこそ、子育てに励む親がパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末から、好きな時間に自宅などで視聴できる同プログラムのオンライン講座の日本語版を作成し、無料提供する。
柳川事務局長は同プログラムについて、「HOWTOではなく自分で解決する手段を学ぶものなので、決して万能ではないけれど、長期的に見ると子どもの問題行動が解決され、社会性やコミュニティー能力を培える」と話し、「子どもに向き合う気持ちが出てくるなど、いい意味で変化が分かるので、子育てに関心の高い人や、少しでも困っている人は、ぜひオンラインプログラムに参加して楽しい子育てをしましょう」と呼び掛けている。
プログラムは「ポジティブ子育てとは?」や「問題行動がおこった時の対処法」など八つのテーマがあり、11月中旬から配信がスタート。来年1月中旬までの受講期間内であれば、何度でも繰り返し視聴できる。
対象者は県在住で、受講前後の質問票に協力すること。申し込み方法は、同協会のホームページから専用フォームに必要事項を記入して送信。
問い合わせは同協会(かがやきポルトわこ内、℡073・425・6626)。