お城を見ながら体操 毎週水曜に寺田さん指導

和歌山市の健康運動指導士、寺田尊紀(たかのり)さん(44)は、市役所前の通称「城前広場」で毎週水曜日午後0時半から15分間、自身が考案した「わかきん体操」を指導する取り組みを始めた。市民の生活習慣病の予防を目指すもので、無料。気軽な参加を呼び掛けている。

寺田さんは21年間、同市消防局に勤務。「背骨コンディショニング」指導者の資格を取るなどし、健康づくりの教室を開催。今回、「人口減少や高齢化、要介護認定者割合全国1位、社会と関わらず孤立して亡くなる孤立死など、県が抱える社会問題をクリアし、和歌山を元気にしたい」と、市の協力を得て定期的な実施が決まった。

わかきん体操は、健康寿命を延ばすプログラムを地域の人に気軽に取り入れてもらいたいと、寺田さんが開発。認知症や転倒、骨粗しょう症の予防や改善が期待できるという。有酸素運動や筋トレなどを取り入れた体操で、体幹力や心肺機能、バランス力アップなどが身に付き、普段運動をしない人でも取り組める。

初めての開催となった1日には、通行人や市の職員ら約30人が参加。和歌山城を眺めながら、「モチベーションスイッチウォーミングアップ」「わくわく筋力向上運動」「つい笑ってしまう有酸素運動」「リフレッシュクールダウン」という四つの内容で実施。地引き網を引っ張るような動きやぶんだら節の踊りを取り入れ、体でジャンケンを表現するなど、リズムに合わせ体を動かした。偶然、通り掛った人が体操に参加するという場面もあった。

参加した同市の中野律さん(58)は「簡単そうでも頭を使う。難しかったがとても楽しかった」と笑顔。寺田さんは「気負わずに気楽に来てほしい。家から出て健康になる機会になれば」と話し、「市民が健康で長生きし、住み心地のよいまち全国1位を目指したい」と意気込んでいる。

問い合わせは寺田さん(℡090・1073・1875)。

 

寺田さん㊧指導のもと、屋外で爽やかな汗を流す参加者