黒江の伝統を後世に 大野小学校に漆器の校歌
和歌山県海南市の紀州漆器協同組合青年部(田倉裕璽部長)は、市立大野小学校の校歌を記した漆塗りの板を制作した。
市の委託事業で、伝統技術の後継者を育成するため、毎年11月の紀州漆器まつりに合わせて作られる。
亀川中学校、黒江小学校、大東小学校に続いて4校目。青年部4人が9月から約2カ月半かけて仕上げた。縦90㌢、横1㍍50㌢の黒い漆塗りの板に、金色の蒔絵(まきえ)で校歌が記されている。
校歌は黒の漆が吹き付けられた板に、へらで塗料を薄くのばして文字を刷るシルクスクリーン技法を用いて書いた。文字にのりをつけ金の粉を施しており、艶やかな黒い漆板に、蒔かれた金色の文字が美しく輝いている。
田倉部長は「児童らに黒江の町はこれで発展してきたことを知ってもらい、海南にはこれがあると地元自慢してほしい」と話している。来年1月に額に入れ、同校に寄贈する予定。