アマルフィと友好の証し 雑賀崎にレモンの丘
和歌山市雑賀崎の旧雑賀崎小学校跡に憩いの場「レモンの丘」が誕生。同地区は町並みがイタリアの景勝地アマルフィと似ている縁で同国と交流があり、11日に同所であった式典では在大阪イタリア総領事のマルコ・プレンチペ氏と尾花正啓市長が、地元の子どもたちとアマルフィ特産のレモンの木を植樹。尾花市長は集まった地域住民ら約350人を前に、「レモンの木の成長に併せて、イタリアとの交流がさらに成熟することを願っている」と、新名所の誕生に大きな期待を込めた。
雑賀崎地区には、2年前にアマルフィ市の市長が同地を訪れるなどし、親交を深めている。今回、雑賀崎連合自治会が「宝くじのコミュニティ助成金」を活用し、約1カ月かけて旧雑賀崎小学校跡を整備。アマルフィとの友好の証しとして「レモンの丘」と名付け、海が見渡せる場所にベンチを置くなど、憩いの場に生まれ変わらせた。
セレモニーでは、雑賀崎幼稚園や小学校の子どもたちが手作りの横断幕などを掲げ、プレンチペ氏と尾花市長を盛大にお出迎え。ことし7月から総領事に着任したプレンチペ氏は、「こんなに感動的な歓迎は初めて」と喜び、「子どもからお年寄りまでみんなが集う場になるように」と願いを込めた。
同校1年生の松本咲来(さくら)さん(6)は、「マルコさんが来てくれて、うれしい」とにっこり。小学4年生までこの場所にあった旧雑賀崎小学校に通っていたという同自治会の寺井節次会長(73)は、「青い海や空はどこにも負けないので、憩いの場になっていけば」と話し、「いずれはレモンいっぱいの丘になれば」と意気込んだ。この日植樹されたのは3本で、今後本数を増やしていくという。