防災力向上を 大規模断水で有志ら報告書
和歌山市の六十谷水管橋崩落に伴う大規模断水で市民が気付いた防災の課題を可視化しようと、同市の長谷川萌子さんと益谷愛さんは20日、これまでの活動をまとめた報告書を市総合防災課の南方伸哉課長に手渡した。
2人は10月、「断水の経験に関する市民の声を集めるアンケート」を実施したり、11~12月には5回にわたって市民ミーティングを開いたりする活動をしてきた。
活動報告書には、202人によるアンケートの回答から見えてきた情報伝達の課題や、地域とのつながりの希薄化などの問題が具体的に挙げられており、長谷川さんは「防災行政無線が聞き取りづらいといった情報伝達の課題が多く見られた」と伝えた。
同市では、防災行政無線が聞き取りにくいときには、放送内容を確認する方法として自動再生のフリーダイヤル(フリーダイヤル0120・077・199)や、登録者に届く防災情報メールの他、ホームページやSNSでも発信しており、周知を呼び掛けている。
南方課長は活動報告書を受け取り、「皆さんが防災について考えていただいたことを、本当にありがたいと思う。レポートを読んで今後の防災対策の参考にしたい」と話し、「地域防災について話し合う機会をつくっていきたい」と前向きな考えを伝えた。
長谷川さんは「自助・共助・公助には協力体制が必要で、問題を共有しながらできる人ができるタイミングで柔軟に対応することが大切」と話し、「今後も市民ミーティングを継続しながら地域防災の向上につなげていければ」と意気込んだ。
同報告書やアンケートレポートなどは、LINE(ライン)アカウント「ローカルアンケートミーティング(仮称)」で確認できる他、追加アンケート実施時や市民ミーティング開催の案内などにも活用していくという。