自宅療養者も安心を 医師会と県が協定

新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、和歌山県は17日、自宅療養となる患者も安心できる環境を確保するため、医師が健康状態の見守りなどで協力する協定を、県医師会(平石英三会長、会員約1500人)と締結した。

県は全国で唯一、感染者全員を入院させる方針を維持しているが、第6波の急激な感染者数増加により、同日時点で入院待ちは273人に達し、入院と宿泊療養を最大限使用しても対応が困難な状況が迫っている。

今回の協定により、自宅療養が必要な事態となった場合、無症状または軽症で県が自宅療養可能とした患者を対象に、医師会が県の要請に基づいて医療の提供や健康状態の見守りなどのフォローアップで協力する。

具体的には、電話やオンラインなどを活用して患者の健康状態を把握し、必要に応じて県に連絡して、医療機関や宿泊療養の入所調整などにつなげる。

県庁知事室で調印式が行われ、仁坂吉伸知事と平石会長が協定書に署名した。

仁坂知事は、オミクロン株による感染者の急増が想定を上回るペースだとし、「自宅療養であっても誰かが見ていてくれないと、放置して悪化したら大変なことになる。ご協力に感謝する」と述べ、平石会長は「県民の健康と命を守るために協力していきたい。医師会一丸となって、自宅療養者に安心してもらえるよう努める」と話した。

協定書に署名する仁坂知事(手前)と平石会長

協定書に署名する仁坂知事(手前)と平石会長