空手の全国大会で優勝 新極真会の岩本選手
大阪府で開かれた「カラテドリームフェスティバル2021全国大会」(NPO法人全世界空手道連盟新極真会主催)で、和歌山市の紀伊中学校2年の岩本佑生(ゆう)選手(14)が組手・中学2年生男子中量級で優勝した。1回戦敗退という前回の悔しさを糧に優勝をつかみ取った岩本選手は、「階級が上がっても勝てるよう、防御面、攻撃力ともに組手の技術を磨いていきたい」とさらなる飛躍を誓う。
岩本選手は9歳上の兄の影響で、4歳の頃から新極真会和歌山支部六十谷道場(同市六十谷、滝彰夫分支部長)で空手を始め、小学生に入る前から毎年同大会に出場している。
型の競技では、小学5年生の時に国際大会で優勝、6年生でも全国大会で準優勝するなど、輝かしい成績を残してきた。一方、組手ではなかなか結果が出ず、大きな大会での優勝は今回が初めてという。
特に前回大会では、優勝選手と1回戦で当たり、敗退。悔しい気持ちと、「来年は絶対優勝する」という強い思いを胸に、先輩の高校生と練習を共にし、得意のパンチに加えて蹴りを強化してきた。
自主練では、体力をつけるため坂道の走り込みをするなど、「自分を追い込んできた」といい、「体力では誰にも負けない」といえるほど自信をつけて大会に臨んだ。
1、2、3回戦と順調に勝ち進んだが、準決勝、決勝の相手は、これまで2度の対戦で連敗している強敵。特に決勝では、「最初、相手が強くてやばいと思った」と試合を振り返り、勝因について「突きや蹴りがちゃんと入った」と練習の成果を挙げる。
1分30秒の本戦で全力を出し切れるよう、あえて2分間で練習を重ねてきたのに加え、自主練で体力をつけたのが功を奏し、ラスト30秒から疲れが目立ってきた相手に対し、攻撃に追い込みをかけ、優勝をつかんだ。
「パンチの強さと体力という自分の強みを生かし、2連覇できるように頑張りたい」と意気込む岩本選手を、滝分支部長は「こつこつと頑張る選手」と笑顔でたたえ、「2連覇どころか5連覇でも10連覇でもしてもらいたい」と期待を寄せた。