資金計画など再び紛糾 県議会IR対策特別委
和歌山県が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)事業について、国に提出する区域整備計画の原案が7日、改めて県議会IR対策特別委員会に示されたが、前回の委員会で問題となった運営主体の特別目的会社(SPC)の構成や資金調達計画を巡り、県議から再び厳しい意見が相次いで紛糾する事態となり、質疑は午後にもつれ込んだ。
昨年11月19日の前回の特別委では、IR事業の骨格となるSPCや資金調達計画の説明が不透明、不十分との指摘があり、県民向けの公聴会とパブリックコメントを延期する決議がなされた。
仕切り直しの今回の特別委には、前回に続き、県の田嶋久嗣IR担当理事、事業者の「クレアベストニームベンチャーズ」の梶武司プロジェクトマネジャーらが出席した。
初期投資の4700億円のうち、約3割の1450億円を同社などが出資し、残る7割は借り入れとすることなどが示されたが、SPCはまだ設立準備中で、出資者は一部しか公開されず、出資の基本合意書は取れているなどとする説明にとどまったことから、県議からは「出資の確約は本当に取れているのか」「前回問題になったことがほとんど出ていない」「県民に説明できない」などの批判が相次いだ。
午前の質疑で田嶋理事は、中核株主は決まっていること、株保有率5%未満の少数株主からの資金調達が困難な場合に、その分をカバーするとしている同社グループ本体(カナダ)役員の資産を確認していることなどを挙げ、「一定レベルの資金計画に達しており、県民に示すことができる」との認識を示した。