特殊詐欺を未然に防止 紀陽銀の行員に感謝状
和歌山東署は8日、特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、和歌山市黒田の紀陽銀行宮北支店総合窓口コンシェルジュの平野千代さんに感謝状を贈った。
同署によると、ことし1月18日正午ごろ、同支店に70代ぐらいの女性が来店。窓口で12万円を振り込み、領収書をスマートフォンで撮影してLINEで送信しようとしていることに疑念を抱いた窓口業務の行員が、平野さんにサポートを依頼した。
平野さんが女性客に話を聞いたところ、12万円を振り込めば、手数料分の2万円を除いた金額がもらえるといった内容のメールを受け取ったと明かしたため、詐欺と判断。上司に報告して、振り込み手続きを取り消し、同署へ通報したという。
同署で行われた贈呈式で、出納延計(すいどう・のぶかず)署長から感謝状を受け取った平野さんは、「被害者は、被害に遭ったことをなかなか認めたくない上に、恥ずかしくて誰かに言いづらい」とし、「どんなに恥ずかしいと思っても、行員にまず相談してほしい」と話した。
出納署長は「振り込め詐欺に遭う人が多い中で、怪しいと思ってもなかなか声を掛けにくいもの。熱心に阻止していただき、感謝しています」と伝えた。
昨年末の時点で、県内の特殊詐欺被害は59件に上り、県内では振り込め詐欺被害が多発していることから、同署では注意を呼び掛けている。