感染高止まり、重症最多 コロナ病床厳しく

和歌山県は11日、新型コロナウイルスに感染した橋本保健所管内の70代男性が亡くなったと発表し、県内の死者は累計74人となった。10日の新規感染者は547人、11日は519人で、新たなクラスター(感染者集団)認定は7件。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「まだ感染者が減る傾向にはなく、高止まりしている」との認識を示した。

10日の新規感染者547人の保健所管内別内訳は、和歌山市327人、海南33人、岩出65人、橋本39人、湯浅25人、御坊27人、田辺21人、新宮10人。

新たなクラスターは3件。174例目が和歌山市の有料老人ホームで、入所者6人と職員4人が感染。175例目は海南管内のグループホームで、陽性者は入所者5人と職員2人。176例目は同市の介護老人保健施設で、利用者8人が感染した。

11日の新規感染者519人の保健所管内別内訳は、和歌山市291人、海南27人、岩出48人、橋本52人、湯浅48人、御坊23人、田辺26人、新宮4人。湯浅は過去最多。

新たなクラスターは4件。177例目が和歌山市の障害者支援施設で、利用者7人と職員4人が感染。178例目は田辺管内の小学校で、児童6人が陽性。179例目は同市の有料老人ホームで、陽性者は入所者6人と職員1人。180例目は新宮管内のこども園で、園児4人と職員3人の感染が確認された。

直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が381・6人。保健所管内別では湯浅295・8人、御坊274・2人が過去最多を更新した。

県内の感染者は累計1万6675人、入院者数は398人、病床使用率は63・3%、入院待機者は4006人となっている。入院患者のうち酸素投与が必要な重症者は過去最多の63人に達し、野㞍技監は「紀北・紀中の対応可能な病床はほぼいっぱいと理解してほしい」「重症者用病床の枠を越えて重症者に対応している」と危機的な現状を話し、これ以上感染を広げないために県民一人ひとりの協力を改めて呼び掛けた。

危機的な感染状況を説明する野㞍技監

危機的な感染状況を説明する野㞍技監