街や山で絶叫 紀の川市長選舌戦スタート
新人2人による7日間にわたる熱戦の火ぶたが切られた紀の川市長選。両候補者は告示日の20日から、市中心部や山あいなどに選挙カーを走らせ、時には車を降りて支持を訴えた。2人の政策を聞いた有権者はどんな願いを託そうとしているのか。
市長選には、元市議の森田幾久氏(54)と、元県議の岸本健氏(51)のいずれも無所属新人の2人が立候補した。
同日の出陣式は、両候補者とも市中心部にある選挙事務所で実施された。
候補者の話を熱心に聞いていた60代の自営業男性は「人口減少をまずはしっかり食い止めてほしい」。市町村合併後に人口が減少している市の未来が気になるという。また、70代の農業女性は「仕事柄、農業改革に期待をしているが、女性が活躍できる場をもっと増やせる政策もお願いしたい」と強調した。
インフラ整備を求める声もあった。「市内には道路整備が不十分な地域も多いので力を入れてほしい」と話すのは80代の農業男性。
70代の無職男性は「とにかく医療費負担を減らしてほしい」と苦しい家計の現状を訴えた。
候補者の絶叫は静かな山あいにも響いた。懸命に支持を訴える声を冷静に聞いていた60代女性は「地区の公民館設備の充実などは求めたいが、インフラの未整備が問題」。以前、山中で人が倒れた時、携帯電話がつながらず困った経験をしたという。「市だけで解決できないのは十分に分かってはいるが、命に関わることなので気掛かり」。新市長には、人口が少ない山あいの声にもぜひ耳を傾けてほしいと願った。