県の「まん延防止」解除へ 国基準下回り
和歌山県は3日、県内全域に適用中の新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を6日で終了すると発表した。記者会見した仁坂吉伸知事は「延長を政府に打診していたのは事実」と述べたが、国の解除基準の全てを下回る感染状況となっており、「国の方針に従うことにした」と経緯を説明した。
国の解除基準は、①新規陽性者数(7日間平均)の前週比が継続して1・0を下回っているか、低位の水準にある②病床使用率がおおむね50%を下回り、下降傾向にある③重症病床使用率がおおむね50%を下回っている④自宅療養者数と療養等調整中の者の合計が下降傾向にある――の4点。
県内の2日現在の現状は、①は1・0未満が2月12日から19日間連続しており、②は48・4%、③は23・1%、④は2月5日の4020人をピークに、1107人まで減少。いずれの基準も満たしている。
仁坂知事は、県内の感染者数は減少傾向にあるものの、「和歌山にとっては非常に多い(数字)。保健医療行政で防止するのは大変で、延長する方がいいと政府に伝えてきた」と述べ、県として延長を希望していたが、国との協議で終了を決めたことを明らかにした。
県への重点措置適用は2月5日に始まり、当初27日までだった期限は3月6日まで延長となっていた。適用終了に伴い、県内の飲食店など約9500店への営業時間の短縮要請は解除する。不要不急の外出自粛要請も終了し、適用前の安全な外出、生活の呼び掛けに戻す方針。
県内の時短要請解除により、重点措置が延長される見通しの大阪府から人流が増える懸念について仁坂知事は、県内より先に府内の時短要請が始まった際に、県内への大きな流入は見られなかったことから「あまり心配しなくてもいいが、様子は見ていく」と話した。