尾花市長が出馬表明 市議長は辞任、選挙戦か
和歌山市の尾花正啓市長(68)は9日、任期満了に伴い8月14日告示、同21日に投開票される市長選に3選を目指して立候補することを正式に表明した。2月定例市議会本会議の最終日のあいさつで語った。市長の表明前、吉本昌純議長(65)が議長職の辞任届を提出、所属する市議会会派の自民党市議団からも離脱した。市長選の立候補のためとみられており、選挙戦になる見込みとなった。
尾花氏は東京大学卒業後に県庁入りし、県土整備部長などを務めた。2014年に初当選し2期目。
議場であいさつに立った尾花氏は「議員や市民からの意見を熟慮した結果、3期目の挑戦を決意した」と強調。老朽化した水道施設の抜本的解決や、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着く「アフターコロナ」を見据えたまちづくりなどの課題に取り組む決意を示した。
吉本氏は近畿大学卒業後に同市役所入り。2007年の市議選で初当選し4期目。議長には昨年6月に就任した。
本会議で辞任が許可された後、報道陣の取材に応じた吉本氏は「辞任は一身上の都合」と説明。ただ、支援者らには市長選に立候補する意向を示している。今後は自民党からも離党し、正式な立候補の会見をする見通し。
吉本氏の立候補の動きを巡っては、これまでに市議会最大会派の自民党市議団が対応に追われた。
同市議団は現職の尾花氏を支える声が強い。過去2回の選挙で推薦しており、身内からの立候補に難色を示す市議もいる。加えて「2月議会は年度予算を決める大事な議会。議長にとどまって、選挙で対抗する現職が提案した議案を通すのは筋が通らない」との批判もあった。このため吉本氏は議長を辞し、会派からも離脱したとみられる。
選挙戦では新型コロナで疲弊した地域経済の建て直しや、人口減少下でのまちづくりの在り方などが争点になりそうだ。
市長選の立候補予定者説明会は6月3日午前10時から、西汀丁の和歌山商工会議所4階で開く。