県全域で鐘造ろう 萬波の「いかり」除幕式

和歌山市新和歌浦の老舗温泉宿「和歌の浦温泉 萬波 MANPA RESORT 日本スタイル」の玄関前に設置されたモニュメント「いかりの鐘」の除幕式が16日、行われた。仁坂吉伸知事や尾花正啓市長ら約40人が訪れ、和歌浦観光の新名所の完成を笑顔で祝った。

鐘は、本紙連載「人酔い日記 カウンター越しの和歌山」を寄稿する、タレントでアーティストの越前屋俵太さん(60)らが制作。高さ2・6㍍で頭上の鐘を碇(いかり)形のオブジェ3本で支える。「碇を沈めるように、鐘を鳴らして心の怒りを鎮めてほしい」との俵太さんらしいユーモア入りの願いが込められている。

式で、仁坂知事は「アンカー(碇)も兼ねているということで、地元観光の礎として根を下ろしてほしい」。続けてあいさつした尾花市長も「素晴らしい作品ができた。大勢の人に見てもらいたい」と賛辞。その後、両氏とも「怒りはないけれど」と前置きはしながらも、鐘を鳴らすとすっきりした表情と笑顔を見せていた。

会場では関係者から、県全域の自治体でそれぞれの地域の歴史や特色を生かした鐘を造り、鳴り響かそうとのアイデアも披露された。俵太さんは「『あの鐘を造るのはあなた』プロジェクトで、思いをつなげていきたい」と意欲をみせた。

萬波によると、いかりの鐘は玄関前に置いているため、宿泊者でなくても自由に鳴らして構わないという。問い合わせは萬波(℡073・444・1161)。

 

除幕式に出席した仁坂知事(左から3人目)と尾花市長(右から2人目)ら