新人マスク松川 佐々木の完全試合支える
プロ野球ロッテの佐々木朗希投手(20)が10日、オリックスとの3回戦(千葉市、ZOZOマリンスタジアム)で史上最年少での完全試合を達成。「最後まで松川を信じて投げた」と佐々木が信頼し、この偉業を支えた松川虎生捕手(18)=市立和歌山高出身=も、完全試合でマスクをかぶった史上初の新人捕手となり、祝福と絶賛が寄せられている。開幕マスクの抜擢以来、大活躍を続けているスーパールーキーが、シーズン序盤にしてまたも伝説を刻んだ。
佐々木は、岩手・大船渡高から2020年に入団した3年目で、松川にとってはドラフト1位の先輩にあたる。
この日の投球はまさに圧巻。1回の3アウト目から5回終了まで、13連続奪三振で64年ぶりのプロ野球新記録を樹立し、トータル19奪三振もタイ記録。完全試合は1994年5月18日の槙原寛己(巨人)以来、28年ぶりとなった。
佐々木の力投とともに偉業達成の鍵となったのが松川のリード。パ・リーグ公式の動画配信サービス「パ・リーグTV」をはじめメディアが注目し、松川自身も重要な場面と振り返ったのは、4回2死で迎えた〝最も三振しない打者〟と呼ばれる吉田正尚外野手との対決だった。
松川は初球からカーブを2球続けて要求し、2ストライクと追い込むと、最後はフォークで空振り三振。この日、佐々木が投げたカーブ3球のうち、2球がこの場面だった。
試合後、佐々木も「しゃれたリードをするなと思ってサインを見ていた」「それにしても松川は18歳ですか? 18年目ですか?」と信頼と驚きをにじませた。
さらにこの日の松川は、6回裏2死満塁の場面で走者一掃の3点適時二塁打を放ち、バットでも佐々木を援護した。
松川の雄姿に、市和歌山野球部の半田真一監督(41)も胸を熱くした。後輩たちの練習後に快挙の一報を聞き、「手元から離れた選手なので技術的なことは言えないが、順調に成長しているようで安心した」と話した。
ロッテ球団広報室のツイッターは試合後、笑顔でガッツポーズする佐々木・松川バッテリーの写真を掲載し、2人へのメッセージを呼び掛けると、「松川も朗希と同じく完全試合の達成者。松川、おめでとう!!」「素晴らしいピッチングと素晴らしいリード。20歳と18歳。涙が出ました」「きっとこれからも歴史を作っていく世界最強バッテリー」(原文ママ)など祝福と賞賛の言葉が殺到した。
プロ1年目にして快挙を積み重ねる松川の活躍から、今後も目が離せない。