県のIR特別委 答弁めぐり百条委設置か

和歌山県が和歌山市に誘致を進める「カジノを含む統合型リゾート(IR)」の整備区域計画の国への申請について議論する県議会IR対策特別委員会が19日あった。冒頭、藤山将材委員長が、国に照会した上で県が回答した事案を巡り、委員会に虚偽の報告があったのではないかと指摘。県が明確に回答しなかったため混乱し、午前中は本来の計画申請の議論ができないまま休憩に入った。

委員によると、IRの敷地内に整備される国際会議場などのMICE施設や魅力増進施設の委託先の企業名を明記しないままで審査は通過するのかとの趣旨の委員の質問に対し、県は国に照会し、「審査に関することで答えられない」との回答を受けたと報告した。だが、委員会が国に確認したところ、県側からの照会自体なかったとの回答があったという。県の田嶋久嗣IR担当理事は「照会は電話でした。証拠は残っていない」と説明。委員会が、国の担当者名を明らかにするように求めたため午前中の審議が中断した。

午後の質疑では、県側は電話で照会した国の担当者を示したが、同特別委は、食い違う県の説明と国の回答の事実関係を確認するため、地方自治法第100条に基づいて地方議会が疑惑や不正の調査のために設ける特別委員会「百条委員会」を設置する方向を確認。その上で、区域整備計画の内容に関する質疑を優先し、百条委員会設置の手続きはその後に進められる見通しとなった。