紀州漆器を題材に アート・キューブで演劇

演劇の力で和歌山と地域をつなぐことを目標に活動する、演劇街道きのくにプロジェクト(金澤寿美代表)は、8月27、28日に和歌の浦アート・キューブ(和歌山市和歌浦南)で、舞台「いつわりの漆器~私は朱を塗りこめたい」を公演する。このほど、海南市船尾のうるわし館で記者会見が行われ、金澤代表らが意気込みを語った。8月6、7日は兵庫県尼崎市の武庫川KCスタジオでも上演する。

同プロジェクトは19年に「酔筆奇術偏狂記(すいひつきじゅつべんきょうき)」、21年は紀三井寺協賛で「千年前から、君を探していた」を上演。その後、地域の歴史を発掘するシリーズとして21年に海南市の劇団紀州と共に紀州の偉人、井澤弥惣兵衛や太平洋戦争終結後約30年、フィリピンに潜伏していた小野田寛郎を紹介する作品を創作し発表している。

今回は、紀州漆器を題材にした、ラブサスペンスストーリーの現代劇で、出演はA、Bチームのダブルキャストで公演。金澤代表は「海南の景色を作品に映し込み、漆器の魅力が伝わるような作品になれば」と話した。

物語の舞台は和歌浦。漆器職人を目指す潮崎りりこが山中で身元不明の謎の男性と出会い恋に落ち、ある日、男性が見よう見まねで作った作品が、りりこが作ったものとして大きな評価を得てしまうところから始まる。

潮崎りりこ役を田辺市出身の女優、栗須香練さん(30)が、謎の男性役を、コスプレイヤーの山本太陽さん(33)が演じる。栗須さんは「りりこの芯の強さを表現したい。紀州漆器をいろんな人に知ってもらい、この地に訪れてもらえたら」と話し、山本さんは「謎の男性が和歌山の風景に感化されてどう変わっていくのかを表現できたら」と意気込んでいる。

前売り3000円、当日3500円、学生は2000円(数量限定)。チケットの取り扱いはコリッチ(https://stage.corich.jp/stage/149750)、または和歌の浦アート・キューブ、黒江ぬりもの館、うるわし館など。問い合わせは金澤さん(℡090・6065・0470)。

舞台へ意気込むメンバー(前列右から山本さん、栗須さん)

舞台へ意気込むメンバー(前列右から山本さん、栗須さん)